SATRI-IC-SP V1.0
![]() SATRI-IC-SP V1.0 |
![]() SATRI-IC V4.3 |
新しいSATRI回路の進化形
2007年5月、バクーンから新しいSATRI-ICが発売されます。名称は「SATRI-IC-SP
V1.0」です。
SATRI-IC-SP V1.0は基本的に今までのSATRI-ICと互換性があります。互換性がありますので差し替えて使用できます。
性能が大幅に上がり、歪みもV4.3の1/2にまで減っていますので、ICを交換するだけで最新のSATRIアンプの音をお楽しみいただけます。V4.3に比べ多くの回路を同じサイズの基板に組み込んだため価格は高くなりましたが、より正確にソースの信号を増幅できるようになりました。
正式発売日はゴールデンウィーク開けの5月7日、価格は2個で\24,000(税込)です。発売に先駆けて、新SATRI-ICのご予約注文と、今お使いのSATRIアンプのIC交換のご注文の受付を開始致します。ご予約期間中はご予約特価(\22,000)に加え、おまけが付きます。5月7日以降は通常価格での販売になります。この機会をお見逃しなく。
【ご予約注文】
ご予約期間 : 2007年4月末まで(ご予約特価。おまけ付き)。
ご予約特価 : SATRI-SP V1.0 x 1個 \12,000(税込)、2個セット \22,000(税込)
IC交換 : 定価 \40,000 → \35,000(IC代、交換作業費込、税込価格)
※これまで発売した全てのバージョンのSATRI-ICが交換対象になります。これを新ICに交換するサービスです。
・SATRI-SP V1.0のみ購入 ご予約特価 \22,000(2個セット)
CDリストの中から1枚サービス(SACD/CD)
・SATRI V4.3 ICからSATRI-SP Ver1.0 ICへの交換のご予約
・手持ちのアンプのSATRI-ICををSATRI-SP V1.0に交換
(SATRI V4.3の上にV5.1が乗っている場合、V5.1を一度はずして再度取り付ける作業代がかかりますが、今回はサービス)
オプション1 ディスクリート部のカレントミラーのV9.0化
※ディスクリート・カレントミラー回路搭載機種とV9.0搭載価格
AMP-5511Mk2 \40,000
AMP-5513 \50,000
AMP-5530Mk2 \60,000
PRE-5410Mk2 \60,000
PRE-5410 \50,000
EQA-5620 \40,000
オプション2 出川式電源搭載
AMP-5511Mk2 \
AMP-5513 \
AMP-5530Mk2 \
PRE-5410Mk2 \
PRE-5410 \
EQA-5620 \
上記のセット価格 (合計金額から5%引)
V4.3との比較
まず、従来のSATRI-ICと新しいSATRI-IC-SP V1.0との比較を下の表に示します。電気特性はシミュレーションの結果です。
従来のSATRI-ICとの比較 | 現行SATRI-IC | 新SATRI-IC |
---|---|---|
SATRI-ICの名称 | SATRI-IC V4.3 | SATRI-IC-SP V1.0 |
SATRI-ICの型番 | BPM-7110HS | BPM-7120SP |
基板の層数 | 2層 | 4層 |
銅箔の厚さ | 35μ | 1、4層:110μ、2、3層:35μ |
レジストの色 | グリーン | ブラック |
シルクの色 | ホワイト | イエロー |
樹脂モールド | 1液エポキシ | なし |
シミュレーションの結果 | ||
周波数特性(0dB)RL=10KΩ | 10KHz | 100KHz |
位相(25度)RL=10KΩ | 60KHz | 90KHz |
歪率(10V) | 0.0028% | 0.0013% |
出力インピーダンス | 803.1KΩ | 2.157MΩ |
入力インピーダンス | 3.72Ω | 3.68Ω |
ノーマルモード・レジェクションレシオ | -47dB | -70dB |
コモンモード・レジェクションレシオ | -51.8dB | -53dB |
・SATRI V4.3 ICからSATRI-SP Ver1.0 ICへの交換 + 出川式電源取り付け (セット割引)
電磁チェッカー・プレゼント(写真 - 簡単な説明)
・SATRI V4.3の上にV5.1が乗っている場合、V5.1を乗せ換えるため追加費用がかかります。
・SATRI-SP V1.0は5月の連休明けから正式発売になりますが、できるだけ早く新ICに交換した音をお楽しみになりたいお客様には、新しいICが入荷しだい優先的に作業し、1週間にお届け致します。早ければ5月の連休中にお聴きいただけます。
先着 10名様限定です。
※なおSATRI MLで既に新ICやIC交換をご注文済みのお客様は、SATRI MLのご注文をキャンセルして今回のセールにご注文を変更することはメーカーに迷惑がかかりますのでご遠慮下さい。SATRI MLのご注文とは別に注文される場合は問題ありません。
ご注文方法 : 以下の内容をメールでお知らせ下さい。タイトルは「新IC予約注文書」でお願い致します。
お名前
ご住所
電話番号(宅配便用)
ご注文内容
電子メールアドレス
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【SATRI V9.0の説明】
新ICにはSATRI V9.0という回路が導入されました。これは、SATRIアンプの心臓部となっているカレントミラー回路の精度を改善する技術です。SATRIアンプにおいて、カレントミラー回路は主にSATRI-IC内で使われています。そこで、SATRI-ICの中にV9.0の技術を投入して作られたのがSATRI-SP
V1.0という新ICです。ちなみにSPは"Super Precision"の意味です。文字通り精度を上げることができたために付けられた名前です。
SATRIアンプにはもう1ヶ所カレントミラー回路が使われている部分があります。SATRI-ICと後段の間にあります。この部分にもSATRI V9.0を搭載することができます。基板上に組まれたカレントミラー回路にV9.0を搭載するには手作業で取り付ける必要がありますが、SATRI-ICを新しいものに交換し、基板上のカレントミラー回路もV9.0を乗せることで、アンプ上の全てのカレントミラー回路がV9.0化され、出てくる音に大きく改善されることになります。
より詳しく言いますと、SATRI V9.0はカレントミラー回路のバイポーラトランジスタのベース電流による誤差の影響をなくす回路です。カレントミラー回路はSATRIアンプにおいては心臓部です。カレントミラー回路の精度そのものが電圧増幅段の精度になります。今まで、カレントミラーを構成する素子としてバイポーラトランジスタが使われてきましたが、ベース電流が流れるために、その分の電流誤差が生じると言う欠点がありました。この欠点をなくすには、ベース電流が不要なMOS-FETでカレントミラー回路を構成すれば良いのですが、バイポーラトランジスタに比べるとゲインが低いので他の特性が犠牲になってしまいます。そこでバイポーラトランジスタを使って特性を改善したものがSATRI V9.0です。シミュレーションで性能を測定してみると-6dB改善されます。電圧増幅段での歪も半分になることが確認できました。出力10V以下では0.01%を切ることもあり、無帰還アンプとしては大変優秀な値になっています。
V4.3に比べ大幅に周波数特性が伸びたため、単純に交換しただけでは発振してしまう可能性も考えられます。自作で使用される場合は、機器に組み込んだ後、発振していないことを確認してお使い下さい。SATRI製品をお使いで、ICを新しいものに交換したいお客様は交換サービスをお申し込み下さい。IC取り付け後、発振がないかなど動作チェックをしてお返し致します。
【気になるその音は・・・】
新SATRI-ICはまだできていませんのでICの音は聞けませんが、illusion AMP-5511Mk2のカレントミラー部にV9.0を搭載した音を試聴できましたのでご報告します。
とにかく細かい音が滲んだり曖昧になったりせずに聞こえます。
これから正式にご紹介しますが、CASTRON
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【よくある質問】
・なぜSATRI-SP V1.0を開発したのですか
SATRI V9.0という回路が開発され、その回路をSATRI-ICに搭載するとさらに高性能なSATRI-ICができることがわかったためです。
・今までのV4.3は使えなくなりますか
在庫がある間は販売を継続しますが、在庫がなくなった後はSATRI-SP V1.0だけになります。
・V4.3とSATRI-SP V1.0は併用できますか
できません。どちらか一種類をお使い下さい。
・V5.1とSATRI-SP V1.0は併用できますか
・SATRI V9.0とは何ですか
SATRIという名称は、元々IC内に組み込まれたSATRI回路の心臓部を意味していましたが、それを中心として、アンプ全体の改良へと広がっていきました。現在までに開発されたSATRI回路の意味簡単に説明します。
V4.3 - SATRI-IC内部に組み込まれたSATRI回路の基本となる回路が詰め込まれています。
V5.1 - V4.3のSATRI-ICに供給する定電流源です。V5.1を使わない回路ではCRDを使いますが、CRDだけでは変動があるため、より正確な動作をさせたいときにはV5.1を追加して使うことで、より正確な増幅ができるようになります。
V6.X - 終段のバッファを安定して動作させるための回路です。V6.0〜V6.2まではAB級、V6.3は完全A級動作します。
V7.0 - SATRIアンプ専用フローティング電源です。価格が高くなってしまうため実際に搭載された機種はAMP-5501だけです。
V8.0 - 前段のSATRI-IC周辺部と、後段のバッファ部間の干渉を切るため、間に入れるようにした回路です。
V9.0 - カレントミラーの動作を改善する回路です。SATRIアンプではこのカレントミラー回路が主にSATRI-IC内で使われています。SATRI-ICの後にさらにディスクリートで追加されている機種もあります。
V9.0の技術はカレントミラー回路の動作を改善する技術です。そのため、カレントミラー回路を多用しているV4.3(SATRI-IC)に適用することで、さらに性能を上げることができます。このようにして完成したのがATRI-SP
V1.0です。
・SATRI-SP V1.0はどの機種に搭載できますか
SATRI-IC V4.3が搭載されている全ての機種に使えます。SATRI-ICが搭載されていない機種はAMP-5510Mk2とHDA-5210だけです。これ以外の機種には全て搭載できます。最も初期のAMP-5511(K)も交換できます。
・IC交換はどのようにしますか
V4.3と完全互換なので、交換するにはSATRI-IC V4.3のハンダをはずしてICを抜き、SATRI-SP V1.0に入れ換えるだけで交換できます。ただ、SATRI-SP V1.0は性能が良くなっていて、周波数特性が大幅に伸びています。そのため、単に交換しただけでは発信を起こしてしまうアンプがあるかも知れません。原因不明で発熱が多かったり、ヒューズが飛びやすくなった場合は発信していないかどうかチェックしてください。発信が確認された場合は発信止め対策を施す必要があります。
・手持ちのSATRIアンプをSATRI-SP V1.0に交換したいのですが、ついでに他のオプションも取り付けてもらえますか
ご希望のオプションを指定の上ご注文下さい。お見積もりをお送りしますので、明細通りで良い場合は本体をお送り下さい。
・交換を依頼した場合、元のSATRI-ICは返してもらえますか
取り外したSATRI-ICはお返し致しますが、返却を希望されない場合はご注文時に「IC返却不要」とご指定下さい。