SATRI-IC V4.3テフロン版
2002.08.10

 2002年3月に発売されたSATRI-IC V4.3ですが、今まで使ってみて、それ以前のSATRI-ICに比べてずいぶん音質が向上したと思います。

 これにV5.1を乗せて使うことで、さらに正確な音が出ますので、予算に合わせてグレードアップもできますし、あらかじめV5.1を搭載した音を聴いたことがあれば最初からV5.1搭載で注文することもできるなど、2種類のSATRI-ICがあることで、かなりSATRIアンプの自由度が上がったと思います。

 実際にはV5.1レジンとテフロンがありますので3種類だったわけですが、今回V4.3のテフロン版もできて来ました。これでついに4種類になったわけですが、その分、組み合わせも増えるわけで、どれがどういう音になるのか、まず聴いてみなくてはなりません。これまでのV4.3とV4.3テフロンの違いは基板だけということなので、電気的な特性は同じです。見た目の違いもほとんどなく、メーカー出荷時に押されている"T"の印で区別するしかありません。

 SCA-7511にそれぞれの組み合わせでICを取り付けて試聴した結果を書きますので、参考程度にお読み下さい。

  それぞれ以下のように略記しています。

SATRI-ICの組み合わせによる音の違い

4.3T これ1つで充分ではないかと思うほどクラシックにぴったりです。テフロン素材のしなやかな音がそのまま出ている感じがします。低音から中音にかけての滑らかな音の出方が特徴的です。低音の量も多めです。
4.3N 弦の引っかく音が明確に出ます。全体にすっきりした音は、SATRI-ICの特徴が良く出ていると思います。高域の細かい音がきれいに聴き分けられます。低音も痩せず、輪郭のある低音になります。
4.3N+5.1R 4.3Nだけの場合よりも一層線が細くなり、音像が締まります。場合によっては少し神経質と感じることもありますが、曖昧さがない音が好みという場合はお勧めの組み合わせです。最もワイドレンジな音になります。低音は締まり過ぎるくらいなので、比較的大型のスピーカーで、低音が出過ぎるくらいのシステムにはちょうど合うと思います。この中でも最も癖が少ない組み合わせです。
4.3T+5.1R テフロンとレジンという正反対の組み合わせですが、細かい音がスピーカーの周囲や奥行き方向にたくさん散らばるという感じに出てきます。中域が適度な柔らかさで聴きやすい質感になります。それとレンジの広さが両立した音になります。4.3N+5.1Rの音と比べると、中域から低域にかけて少し艶がある点で差が出ます。
4.3N+5.1T

前の4.3T+5.1Rと比べると、急に柔らかく聴きやすい音に聞こえます。ちょうど良いバランスで、ちょっと地味と感じるくらいに落ち着いた音です。低音も柔らかいのでクラシックのホールトーンが良く出ます。

4.3T+5.1T 高域が少し足りないように聞こえますが、実際には高域の上の方まで出ています。ただ、目立たない鳴り方です。全体的に中・低音寄りの落ち着いた音です。柔らかすぎて物足りないと思う人もいるかも知れません。今回の組み合わせの中では最も柔らかい音です。しかし、音に厚みがあるので、量感重視という方や、真空管にできるだけ近い音が欲しいという場合はこの組み合わせが最も良いでしょう。とは言ってもSATRI回路ですから、本物の真空管の音ほど濃い音にはなりません。あくまで上記ICの組み合わせの中での比喩です。中域が充実しているので声を聴くのに最も適していると思います。アナログライクな音なので、イコライザはこの組み合わせで構成するとベストかも知れません。非常に音楽的な鳴り方なので聴いていて楽しいです。レコードファンの方にも向くと思います。音量を上げてもうるさくならないので、比較的大音量で聴く場合も合うでしょう。今回の比較試聴では全てDALE巻線アッテネータを使いましたが、この組み合わせの場合だけガラス巻線に換えてみると、高域が出るようになって量感とのバランスが取れます。抵抗の組み合わせによってある程度調整可能ということだと思います。