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LClock XOでCDプレーヤーを高精度に(2)

SONY製 CDプレーヤー CDP-XA50ES のマスタークロック交換記
( LC Audio Technology XClock XO instruction for CDP-XA50ES )

横浜の岩橋様より


はじめに

 SONY 製CDプレーヤー CDP-XA50ES のマスタークロックを交換してみようと考えたのは、D/Aコンバータとしてバクーン・プロダクツのDAC-2000Kを導入してから、音の鮮度が向上しこれにともないCDトランスポートの購入を考えだしていたからです。
 しかし、CDP-XA50ES は癖が無く素直な音質ですし、結構愛着のある製品です。また、値段以上に真面目に丁寧に作られています(今回の改造でバラして再認識しました)。
 SACDも気になりますし、お財布と相談できる、これといったCDトランスポートも特になかったのでカタログだけを眺める日々が続いていました。

 そうこうしているうち、雑誌をはじめ、試聴屋さんのホームページや多くのオーディオ関係のウェブサイトで話題になっていたマスタークロックの交換による音質の変化の記事を読みデンマークのLC Audio Technology 社のホームページに行って調べてみると、現在使用中のCDプレーヤーにも対応可能ということが判明し、「試してみるか」という気持になりました。
 安くはありませんが、CDトランスポートの購入に比べれば、まだ容易に手がでますので決断しました。

 改造を行うことにより、メーカーの保証は受けられなくなりますし、もし失敗した場合には最悪、二度と元に戻らないことを覚悟しつつ自分の責任で行うことにしました。

 なお、ほとんどの販売店で取り付けも行ってくれるそうなので、こちらを利用されるのが安全で良いと思います(海神無線さんだけはユニットの販売だけだそうです)。


準備

資料入手
 まず LC Audio Technology 社のホームページからリンクをたどり、最初に一般的な取り付け方法をよく読みます。ここで、おおよその取り付け方法が理解できます。
 次に、適応機種一覧のページをアクセスすると適応機種の一覧と、詳細な取り付け方法を、機種によっては写真付きで説明されています。
 CDP-XA50ES も紹介されています。かなり頻繁に更新されているようで4月上旬には紹介がなかった CDP-XA30ESが4月の下旬には写真付きで紹介されていました。

 CDP-XA50ES のクロック周波数は、45.158MHzで日本でも代理店や販売店を通じて手に入れることができることが判りました。勿論、直接通販で購入することもできます。

 取り付け方法の翻訳を以下に簡単に示します。

  1. 既存のクリスタル(部品名:X602)を2個のコンデンサ(部品名:C611、C612)と共に取り外します。
  2. 基板のハンダ面(部品実装面の裏)に取り付けられたクリスタル用IC(部品名:IC604)を取り外し、基板上の6番ピンと7番ピンを短絡させます。
  3. LClockのOUT端子を既存のクリスタルX602が取り付けられていた端子の抵抗R534側の方に取り付けます。
  4. 同じくLClockのGND端子をコンデンサC611が取り付けられていた端子の抵抗R534側の方に取り付けます。
  5. LClockの+12V端子を、シャーシ背面側の2個の電解コンデンサに挟まれたジャンパー線JW633にハンダ付けします。

 なお、頻繁にページの更新がされているようなので、まめにアクセスして最新の情報を入手しておくのが良いでしょう
 また、いづれのページも印刷が可能ならプリントアウトしておくと便利だと思います。

CDプレーヤ調査
 まず、CDプレーヤーの天板を6個所のネジを外して開けます。
 正面から見て右側の基板がD/Aコンバータとアナログ出力が実装された基板です。基板中ほどに、お目当てのクリスタル(X602)とコンデンサ(C611、C612)が見えます(写真では、左側がCDプレーヤー正面になります)。基板上に部品名がプリントされているので直ぐに判ると思います。なお、クリスタル用ICはハンダ面に実装されているので見えません。
 念のため、クリスタルにプリントされている周波数を調べます。確かに45.158と書かれています。
 同様に、抵抗R534もクリスタルとコンデンサの右側(写真では下側です)にあるのが確認できました。

 +12Vを取り出すジャンパー線JW633は、アナログ出力RCA端子用の基板アース端子(黄色の被覆)の後ろにあって判りづらいですが、2個の比較的大き目な電解コンデンサの間にあります。念のためテスタにて電圧を測り+11.7V程あることを確認しました。

 次に、基板が容易に取り外せるか調べます。電源や入出力は全てコネクタになっているので、全てのコネクタと8個所ほどのネジを外せば取り出せそうです。側版も取り外した方が作業は容易そうです。

 最後に、LClock(約80mm x 60mm x 30mm)を取り付けるスペースですが、前後、左右、上ともかなりゆったりとしているので何とかなりそうです。

 ということで、GOサインが出ました。2週間後には、秋葉原の海神無線に走っていました。^^
 販売店でも資料は頂けますが、XOに関してはなくC2のみなのでLC Audio Technoloy 社のホームページへのアクセスは必須です(4月22日現在)

 LClockは、調整済のステッカーが貼られた静電気シールドバッグに入っています。取り扱いには十分注意した方が良さそうです。
 写真の右側の4個の部品は、基板から外したクリスタルとコンデンサとICです。一応、元に戻せるように大事に保存して置きます。
 LClock XO単体の写真は取り忘れました^^;。
 基板上のコンデンサは輸入元でOSコン(1000μF 16V)に換装されていました。OUTとGNDは赤と黒の単線(銀?)です。これだけで何か期待が持てます。^^


実作業

基板の取り外し
 まず、天板と側版を外し、最初に、基板上の全てのコネクタを外します。コネクタは色分けされているので、特にメモなどを取って置かなくても後で困ることはないと思います。
 なお、シャーシ中央後方下部の電源基板部と繋がれている2個所の比較的大きなコネクタは、電源基板側のコネクタを外します。
 コネクタは必ずコネクタ部を持って引き抜きます。小さい部品なので持ちづらいですが、線材を持つと断線などの障害を引き起こしますので注意が必要です。真上に「エィ」と引き抜くのがコツです。

 次に、配線をまとめているラッピングワイヤを解いて、配線を自由にします。
 最後に、アナログ出力用アース端子を含め、全てのネジ(銅メッキ製?)を取り外します。外すネジの横の基板上に矢印がプリントされているので迷うことはないと思います。

 これで、基板は取り外せます。天板と側版の取り外しから、基板の取り外しまで約15分ほど掛かりました。

既存部品の取り外し
 基板を取り外したら、はんだ面を表にして、既存のクリスタルX602とコンデンサC611、C612を基板から外します。
 私は、ハンダ吸取線を使用しました。ハンダごては100Wのものを使用し一挙に吸取ります。30Wクラスよりも60Wクラス以上のハンダごてを用いて、短時間で吸取った方が基板や部品に与えるダメージが少ないように思えます。
 ハンダが取れた後は、簡単に部品は外れます。無理に外そうとすると銅箔パターンにダメージを与えるので注意します。

 次に、ハンダ面に表面実装されているクリスタル用のIC604(8ピン)を同様にハンダ吸取線で外しました。非常に小さな部品なので熱を与え過ぎない様に十分に注意しました。ハンダ吸取線は常に新しい部分を使うのがコツです。吸取ったハンダが付いていると吸取りが悪くなります。
 ハンダが取れてもフラックスで基板に張り付いているので、ピンセットかラジオペンチで挟んで基板から外します。

 これで既存部品の取り外しは完了です。最後にIC604が付いていた6ピンと7ピンをハンダ玉で短絡させます。少量のハンダで簡単に短絡します。なお、ピン番号は小さな文字ですが、基板上にプリントされていますので迷うことはないと思います。

 部品の取り外しに掛かった時間は、わずか数分です。

LClockの取り付け
 一旦、基板をCDプレーヤーに戻しLClockの取り付け位置を確認します。私は、取り外した部品のほぼ右側のサブ・シャーシに取り付けることにしました。
 ここは、取り付けが楽(両面テープ付きにスペーサが同梱されている)なのと配線が短くできます。

 まず、配線サイズに合わせて、LClockのOUTとGNDそして+12V電源線を切断します。
 次に、赤黒撚ってある単線の赤側(OUT)を取り外したクリスタルX602の抵抗R534側の穴に部品面から挿し込みハンダ面でハンダ付けします。
 黒側(GND)は、同じく取り外したコンデンサC611の抵抗R534側の穴に部品面から挿し込み同様にハンダ付けします。

 最後に、赤色の+12V電源用の線をジャンパー線JW633に部品面からハンダ付けします。

 シャーシに基板を取り付け、LClockを右側のサブ・シャーシに仮止めし様子を見ます。
 配線を確認の後、取り外したコネクタとアース用のネジを取りつけます。

 さて、緊張の電源ONです。アンプやDACなど外部への配線は外しておきます。再度、配線の確認の後、電源ON。
 カッチと音がしてCDプレーヤーのディスプレイには見慣れた表示が出力され、LClockの基板上には、赤いLEDが点灯しています。
 PLAYボタンを押すとCDが回り始め、表示も正常です。ヘッドフォンを取り付け、恐る恐る聴いてみると「オオー、聞こえる」ということで成功のようです。
 暫く、ヘッドフォンで試聴した後、DAC-2000Kにデジタル出力を接続し、スピーカーを通して試聴してみました。これもOKです。

 LClockには、調整用の可変抵抗が付いていますが、調整にはオシロスコープなどが必要です。オシロスコープを持っていないので調整はしていませんが、特に問題はないようです。
 雑音などが出た場合は調整が必要なようです。できれば、交換前と後の波形を見ておきたかったと思います。

 一旦電源を切り、きちんとサブ・シャーシに取り付け、ネジや配線も元に戻して、側版と天板を取り付けて完成です。ここまでに要した時間は約1時間程です。以外と簡単に出来てしまいました。次は、お楽しみの試聴です


試聴

 試聴は、CDP-XA50ESのアナログ出力を直接AMP-5512Kに入力した組み合わせと、デジタル出力をDAC-2000Kに入力し、DAC-2000Kの電圧出力をAMP-5512Kに入力した、2通りで行いました。
 なお、DAC-2000Kは初期型のもので、オリジナルに対してシールドと電源の強化を行っています。

 試聴CDは、聴き慣れた Bill Evans Trio の Waltz for Debby (VICJ-60292) です。
 まず、CDP-XA50ESのアナログ出力を直接AMP-5512Kに入力した場合です。
 マスタークロックの交換前と比べると細かい音まで出ているのが判ります。また、DAC-2000Kと比べると華やかだった(それでも他メーカーに比べれば地味だが)高音域がおとなしくなり、ちょうどDAC-2000Kを通した時の音の変化に近くなりました。
 しかし、帯域は高音、低音ともに伸びた様に感じられます。
 スピーカーが眼前から消えるとまでは行きませんが、音の変化は想像以上に感じられます。

 次に、デジタル出力をDAC-2000Kに入力した場合です。
 一聴して、高音域が延びているのが判ります。しかし、シンバルなどは交換前と比べ若干薄めでアッサリとした音です。この辺は、好みが分かれそうです。
 また、細かい音がより一層出ており、解像度は確実に上がっているようです。
 全体的な傾向は、CDP-XA50ESのアナログ出力の場合とは逆に、若干華やかになったかなと感じます。
 CDP-XA50ESの音の変化から、DAC-2000Kでは、より一層地味な音になるのかなと思ったので、ちょっと不思議な感じがします。

 他の何枚かのCDを聴いて、私が感じた大まかな傾向は、解像度の向上とアッサリとしながらも延びた高音域といったところです。エコーの度合いなども下がるようで、この辺も好みが分かれるところと思います。

 AMP-5512KやDAC-2000Kを導入した時と同じような音質の変化があり、またまたいろいろなCDを取換え引き換え聴いている最中です。

 ということで、当分CDトランスポートの購入を考えないでも良さそうです。


XClock instruction for CDP-XA50ES 7/May/2000